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さて、たくさん織物が出来上がってきたことは、本来喜ばしい&嬉しいことです。
今回も新しい柄に挑戦した織手さんが何人もいましたし、ステキな色柄のものと
出会うのは、本当に幸せなことだと思っています。
だから、なんとか潤沢な買取資金を作りたい思いでいっぱいです。
今回の震災も販売活動に影響があり、いくつものイベントが中止、また
販売先が減ったり購入してくださる予定の方が変更されたり…
織手さんたちから買い続けることが伝統を守ること… ひとりNGO の
あまりの微力さを感じます
(この場合、微力なのは 「ひとり」 ということじゃなく 「貧乏」 ということか)。

さて、今回はあまり良くない話。

織手さんのひとり、私が現地に住み始めてすぐに出会って、今も一番長く
付き合い続けている織手であるヘルダさん。
なんと昨年10月の私の帰国後、めまいに襲われ、その後血便もあったりで、
すごーく弱りきった日々を過ごしたとか!
彼女は、昔からティボリ民族に伝わる薬草をいくつか知っているので
(残念ながら、すでに知らない世代もかなり多い…)、ある木の根を煎じて、
それで良くなった、ということだった。
少しやせていたが(なんだか年々やせていってるような…)、会ったときは
元気そうな笑顔を見せてくれたので、少し安心する。

彼女は、昔の夫が飲んだくれで、ようやっとなんとか別れたあとに
別の男と一緒になったのだが、今度はその男がちょっとなんというか、
ずるがしこい(かしこくはないから、ずるく立ち回るヤツというか…)という男で、
しかもその連れ子たちが、揃いも揃ってそいつに似たところがあり…
ほんと、前の夫と別れた甲斐がない状態、と勝手に私は思っている
織手のひとりなのだ…

聞けば聞くほど、なんだかウンザリする状況で暮らしている…
たとえば、その息子のひとりがバイク事故で人を入院送りにして、その費用を
なぜかヘルダさんが必死に織物を織って返済しているとか…
夫の敷地内にヘルダさんの娘夫婦が小さな家を建てて暮らしていたのを、
夫の連れ子たちが
「俺たちの敷地だ」
といきなり言い出し、娘夫婦が追い出された、とか…

「え~、もうそんな男、やめなよ~」
と、ここに書けないような話も含めて聞きながら、何十回つぶやいたことか…
ううう、ひとりで暮らしていく、ということがすごく不便でもあるし、
結婚していないことが 「おかしい」 という村社会である(!)ことなど、
よそ者の私が
「こうしなよ」
と簡単に言えるような生活じゃない、ところがもどかしい。
せめて、今回織り上げた織物の売り上げは、とられないように気をつけて…
くらいしか伝えられず…。

彼女が少しでも幸せに日々暮らせることを願って…
(震災に対しても彼女に対しても、祈りのパワーを信じたいけれど、
祈るしかできないのは、なんだかつらい、と思ってしまうのは、
私の尺度が狭いからなのかな…?)
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