忍者ブログ
KAFTIのblogです。
[292] [291] [290] [289] [288] [287] [286] [285] [284] [283] [282]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ずいぶん前の訪問後に書いていて、書き途中のままアップできなかった文章を
やっと仕上げたので、以下、報告パート III です。
(2011年3月18日の現地報告 II の続き、パートIII となります)

+++

私の現地滞在中に一番忙しいのは、織物を製品に縫製加工する人たちだ。
現地に到着してすぐに、何人かの織手さんたちから織物を買い上げた後、
反物として持ち帰る超一級品と、製品加工用に織物を仕分けし、製品用の
織物を、大急ぎで縫製担当者たちに持って行く。

現在、私の製品を作ってくれている縫製担当者は2人。
そのひとりは、ティボリ女性のフロリータさん。
現地 NGO のトレーニングで縫製を習い、ローンを組んでミシンを購入し、
縫製で身を立てている、がんばりや。
私の小物製品を、一手に引き受けている。

過去に一度、あまりに私のダメ出しが厳しいので、
「しばらく休みたい…」
と、私の注文を断ったことがあるけれど (というのも、現地のほかの人からの
注文は、どんな出来上がりでも OK 、という低レベルの仕事をしているから…。
私のように、いちいち細かなコメントと、改良点を伝える人はいない)、
その後すぐに、
「やっぱり仕事をください」
と戻ってきた (というのも、現地では即金で支払う人が本当に少ないから…。
材料費の前金も渡し、更に納得のいく金額を即金で支払う注文者は、
私だけと思う ← まぁ、私以外に居るのだったら、私があちらに行く必要もない
のだけど(笑)。織手さんにとっても、縫製担当者にとっても、私という存在は
ニコニコ現金払いであるがゆえに、すごく貴重なのだった)。

そして最近は、私の厳しいダメ出しの成果が実り、上達してきたおかげで、
「他の注文者からも 『仕事をして褒められる』 という経験をした」、
と、私のダメ出しに感謝を言うようになってきた!
おおお、こんな感じの仕事のパートナーシップ、長くやってきた甲斐があったなぁ!

その彼女が、2月(2011年)の訪問時、昨年(2010年)10月の私の訪比のあとから、
持病の高血圧でほとんど仕事ができず寝てばかりだった、とわかって、
びっくり&ショック&がっくり!
(だって、私の居ない4ヶ月のうちに仕事をしておいてもらおうと、
前金と織物を渡して帰ったのに、前金は病気の治療その他に使われ、
仕事は当然のごとく、まったくしてなかったのだから…)

前にも書いたが、健康保険のようなシステムのないフィリピンでは、
お金がない人が病院に通ったり、薬を定期的に飲み続けたりすることは、かなり難しい。
彼女も当然、薬も飲まずにダルイ日々をなんとかだましだまし、ほとんど
寝たまま休みながら過ごしていたのだった。

会ったときは体調もある程度回復し、そんなに悪くなさそうだったから、急いで
仕事するように伝え、追加の前金を渡して材料を買うように指示する。
またもや今回も、私の計画の半分くらいしか出来上がらないことが判明したことで、
最優先アイテムを絞り込むことに。

今回も、と書いたように、現地ではいろんな事情&事件が起こり、ちゃんと予定通り
物事が進むことは、まれ、なのだ。
それをどうやりくりするか、毎回、綱渡りの日々を、ない知恵を絞り出すような
絞り出せてないような感じで過ごしている。

彼女は過去何度もそういうことがあり、だから前金を渡すのも悩ましいところなんだけど、
他の縫製する人たちに比べ、私のコメントを受け入れようと努力しているのが分かるので、
なんとか体調を建て直し、仕事がし続けられるようになって欲しい、と思っている。
夫や妹も彼女を手伝い、かなり大量の製品を、私の短い滞在期間中に仕上げてくれている。

生活が厳しい人たちと仕事をともにするのは、毎回いろんな決断を強いられる。
緊急の病気で医者にかかりたい、というときに、どれくらいお金を
貸すか、貸さないか。
本人の家族の場合はどうするか。
本人のご近所さんのときはどうするか。
たまたま私の目の前に病気の人がいたら? …etc.

人の命はお金では計れないはずなのに、私の限られた予算の中では、
すべての人にお金を出せない(フェアにできない)と思うと、
どこまで出すか、どれだけ出すか、どうするか、私の対応が毎回
正しいのかどうなのか、揺れに揺れる。
現場で活動する、ということは、何を切り捨て、誰を切り捨てるのかが
ものすごく明確な日々で、自分の微力さを、いつもいつも突きつけられるのだ。

ちなみにその後、フロリータさんは、普段なるべく無理をせず
(日本と違って不便な生活自体が、体力をかなり消耗する)、
野菜中心の食生活にするように助言したのもあってか、体調はまあまあ良いようだ。
私自身もそうだけど、健康であれば多少の貧乏はなんとかなる、というか、
なんとかできる可能性がある。
織手さんたちも含めて、とにかく良い仕事を続けられるように、と願うばかりだ。
PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新トラックバック
プロフィール
HN:
なみちん
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事