KAFTIのblogです。
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ずいぶん前の訪問後に書いていて、書き途中のままアップできなかった文章を
やっと仕上げたので、以下、報告パート III です。 (2011年3月18日の現地報告 II の続き、パートIII となります) +++ 私の現地滞在中に一番忙しいのは、織物を製品に縫製加工する人たちだ。 現地に到着してすぐに、何人かの織手さんたちから織物を買い上げた後、 反物として持ち帰る超一級品と、製品加工用に織物を仕分けし、製品用の 織物を、大急ぎで縫製担当者たちに持って行く。 現在、私の製品を作ってくれている縫製担当者は2人。 そのひとりは、ティボリ女性のフロリータさん。 現地 NGO のトレーニングで縫製を習い、ローンを組んでミシンを購入し、 縫製で身を立てている、がんばりや。 私の小物製品を、一手に引き受けている。 過去に一度、あまりに私のダメ出しが厳しいので、 「しばらく休みたい…」 と、私の注文を断ったことがあるけれど (というのも、現地のほかの人からの 注文は、どんな出来上がりでも OK 、という低レベルの仕事をしているから…。 私のように、いちいち細かなコメントと、改良点を伝える人はいない)、 その後すぐに、 「やっぱり仕事をください」 と戻ってきた (というのも、現地では即金で支払う人が本当に少ないから…。 材料費の前金も渡し、更に納得のいく金額を即金で支払う注文者は、 私だけと思う ← まぁ、私以外に居るのだったら、私があちらに行く必要もない のだけど(笑)。織手さんにとっても、縫製担当者にとっても、私という存在は ニコニコ現金払いであるがゆえに、すごく貴重なのだった)。 そして最近は、私の厳しいダメ出しの成果が実り、上達してきたおかげで、 「他の注文者からも 『仕事をして褒められる』 という経験をした」、 と、私のダメ出しに感謝を言うようになってきた! おおお、こんな感じの仕事のパートナーシップ、長くやってきた甲斐があったなぁ! その彼女が、2月(2011年)の訪問時、昨年(2010年)10月の私の訪比のあとから、 持病の高血圧でほとんど仕事ができず寝てばかりだった、とわかって、 びっくり&ショック&がっくり! (だって、私の居ない4ヶ月のうちに仕事をしておいてもらおうと、 前金と織物を渡して帰ったのに、前金は病気の治療その他に使われ、 仕事は当然のごとく、まったくしてなかったのだから…) 前にも書いたが、健康保険のようなシステムのないフィリピンでは、 お金がない人が病院に通ったり、薬を定期的に飲み続けたりすることは、かなり難しい。 彼女も当然、薬も飲まずにダルイ日々をなんとかだましだまし、ほとんど 寝たまま休みながら過ごしていたのだった。 会ったときは体調もある程度回復し、そんなに悪くなさそうだったから、急いで 仕事するように伝え、追加の前金を渡して材料を買うように指示する。 またもや今回も、私の計画の半分くらいしか出来上がらないことが判明したことで、 最優先アイテムを絞り込むことに。 今回も、と書いたように、現地ではいろんな事情&事件が起こり、ちゃんと予定通り 物事が進むことは、まれ、なのだ。 それをどうやりくりするか、毎回、綱渡りの日々を、ない知恵を絞り出すような 絞り出せてないような感じで過ごしている。 彼女は過去何度もそういうことがあり、だから前金を渡すのも悩ましいところなんだけど、 他の縫製する人たちに比べ、私のコメントを受け入れようと努力しているのが分かるので、 なんとか体調を建て直し、仕事がし続けられるようになって欲しい、と思っている。 夫や妹も彼女を手伝い、かなり大量の製品を、私の短い滞在期間中に仕上げてくれている。 生活が厳しい人たちと仕事をともにするのは、毎回いろんな決断を強いられる。 緊急の病気で医者にかかりたい、というときに、どれくらいお金を 貸すか、貸さないか。 本人の家族の場合はどうするか。 本人のご近所さんのときはどうするか。 たまたま私の目の前に病気の人がいたら? …etc. 人の命はお金では計れないはずなのに、私の限られた予算の中では、 すべての人にお金を出せない(フェアにできない)と思うと、 どこまで出すか、どれだけ出すか、どうするか、私の対応が毎回 正しいのかどうなのか、揺れに揺れる。 現場で活動する、ということは、何を切り捨て、誰を切り捨てるのかが ものすごく明確な日々で、自分の微力さを、いつもいつも突きつけられるのだ。 ちなみにその後、フロリータさんは、普段なるべく無理をせず (日本と違って不便な生活自体が、体力をかなり消耗する)、 野菜中心の食生活にするように助言したのもあってか、体調はまあまあ良いようだ。 私自身もそうだけど、健康であれば多少の貧乏はなんとかなる、というか、 なんとかできる可能性がある。 織手さんたちも含めて、とにかく良い仕事を続けられるように、と願うばかりだ。 PR |
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