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チェチェンのこと、知っていますか?
世界中で、あまり知られてない国・地域がたくさんあり
(それはマスメディアがほとんど取り上げないからだけど…)
そのあちこちで侵略され、略奪され、殺されてる人たちが居る。
私たちの思いや意志が及ばないということは、傍観者・現状肯定者となり、
それはそのまま加害者を意味するときもある。

そんな中、まずは知ろう、ということで、いろんな取り組みをしている人がいる。
(私もそのひとりであろうと、日々もがいていますが…)
チェチェンニュースも、そのひとつ。
http://chechennews.org/

その編集人の大富さんが今週末、個展をされます。
そのお知らせの文章がすごく胸を打ったので、ここに転載させていただきます。

芸術という美しいものと、厳しい現実のはざまで、『知った者』は
本当に苦しい思いをしながら、でも、なんとか折り合いをつけ生き抜くしかない。
私も、ティナラク織という美しい芸術・織物を通して、先住民(少数者)のこと、
日本の加害の現実、政治や多国籍企業がどれだけ人々を苦しめてるか、
自然と共に生きる人たちから学びなおすことなど、今後も考えて生きたい。

今回の大富さんの個展は、私の活動にも刺激をいただけるものと思って、
楽しみにしています。
ぜひ、お時間作って足を運んでいただけたら、と思います。


■ 大富 亮 個展のご案内

「結合子」 Otomi Akira Art Exhibition "Combinator"
とき: 3月20日(金)-22日(日)11:00-19:00
会場: ギャラリー[1号室・2号室] http://d.hatena.ne.jp/galleryroom12/

交通: 地下鉄 三田線・新宿線・半蔵門線 「神保町駅」 A5出口より徒歩2分
地図: http://d.hatena.ne.jp/galleryroom12/searchdiary?word=%2a%5b%c3%cf%bf%de%5d


このチェチェンニュースを始める少し前、私は画学生でした。
それがなぜか、慣れない外国語と格闘してニュースを翻訳したり、
学校の外を知らないことも顧みないで国際情勢の解説を試み、
時には不審者として警官に拘束されそうになるという、
少し刺激的な生活をすることになりました。

そんなふうに関わってきたものが、紛争や民族浄化ではなく、もっと楽しくて、
すぐに人の生活を彩るようなものであれば、それまでやりたかった芸術とも、
つなげやすかったかもしれません。

チェチェンからは毎日のように、大勢の人が死んで行くニュースが伝えられてきて、
それを受け止め、日本の人々に伝えるのは、いつも少数の人たちでした。
とつぜん忙しさを増した生活からは、絵や、音楽や、小説といったものの意味が
吹き飛んでしまったような気がしました。
絵なんか描いている時ではない!
それが1999年の、第二次チェチェン戦争が始まったときの心境でした。

それは今もそうなのだと思います。
チェチェンの戦争が終息しても、ロシアでは民主派が力づくで弾圧され、
ジャーナリストは殺されます。
ガザでは封鎖と爆撃、虐殺があり、これからも占領は続きます。

「さみだれ」「さざなみ」という美しい名前の日本の軍艦が、海賊退治に
アフリカに向かいました。そういえば、彼らはいったいどうして「海賊」になったのか?
アフリカから奪うだけ奪っておいて、彼らがカラシニコフを手にわずかな金品を
奪い返そうとすれば「治安」の維持のために鞭を食らわす「先進国」・・・。

私たちの住む場所がひどいところだとしても、それでも私には描くほかに
できることが思いつきませんでした。
絵は私が満足することのできる数少ない仕事で、ときどきは糧にもつながり、
人に気持ちを理解してもらうための依頼状のようなものであることもあります。
それが私にとっては切実でも、すべては富む国のおこぼれを食む画家の画業か
と思うと、切なくはなりますが。

芸術は人の心を開くものだと思います。
心の外の世界で起こっていることを感じ取ることも、それをキャンバスの上に
描き出そうとすることも、心の風通しをよくしなければできないことだと思います。

そこには「こうあるべきだ」という思い込みをいったん壊してはじめて
できるものがあります。
私にとって絵は、いつもの場所からいったん離れ、離れたところから
もう一度世界を見回すための別荘のような場所です。
政治も絵も、そのアウトラインを一言に言えば、より多くの人が幸福に暮らすための
手段ですから、見える風景は同じ空気の中にあります。
見る角度と描き方を変えることが大切なのでしょう。

世界を見る絵というファインダーを通じて、言葉だけでなく、もっといろいろなやり方で、
見る人とつながっていければ仕合せです。
会場では、油絵と、ついこの間まで編集に参加していた『チェチェン民族学序説』の
挿絵を展示します。
どうぞお越しください。(大富亮)


『チェチェン民族学序説-その倫理、規範、文化、宗教=ウェズデンゲル』
ムサー・アフマードフ 著
今西昌幸 訳
林 克明 特別寄稿
大富 亮 編・挿画
高文研刊 2,500円(税別)
* ギャラリーでも販売します。
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