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今回の現地訪問中の大事件は、織手・リリーのおしり(右側)に、
大きく10センチほど、肉がえぐられたような皮膚病だった。
このブログ、言葉だけでつづっているので、画像無しで良かった… と、
今でも思い出すだけで胸が痛く、寒気がするような、本当にきつい状態だった。

私が山に到着する1週間くらい前から始まった、ということだったが、私には
「病気だった」
という過去形で連絡があったのみだったので、何かあったんだろうけど
(病気は日常茶飯事だし)もう大丈夫なのかな、と思いながら約束の時間を待っていた。

いつも一緒に来る織手仲間のミンダイが、ひとりで先に二人分の織物を担いできて、
「リリーはどうしたの?」
と聞いたら、
「お尻が痛くて、歩くのが遅くなってる。もうすぐ来る」
とのこと。
「お尻って、傷?」
って聞くと、
「数日間ずっと痛い。血も出てる…」
という返事(ちなみに、カタコトのティボリ語なので、込み入ったことがわからず…)

で、リリーが来るのを待ちながら、きっと痔になっちゃったんだな、
血が出てるなら切れ痔か? なんて思っていた。
座りっぱなしの仕事だし…
でも、痔は日本でもありふれたものだし、そんなにひどくないといいけど…
なんて、のんきに構えていた。

そして、リリーがよれよれと到着して、
「痛い…」
と、弱々しく筒型スカートをほどいて見せてくれたのが上記の恐ろしい状態の傷口…
思ってもみなかったキョーレツな皮膚の状態にくらくらしながら、
「医者には行ったの?」
と聞いたら、
「お金ないから…」
と。

「お金なんていくらでも借りれるでしょ!! 元気になったら、働けるんだから、
またいっぱい働いて返せるじゃない! でも死んだらもう織物もできないんだよ!!
お義母さん(アニータのこと)のところに今行かなくたっていいでしょ???」
と激情する私。

とにかく、織物を買い上げなくてはお金がないので、あわてて質のチェック&
長さを測り、いつもよりも少し上乗せして、さらに5月の分の前金も渡し、
あわてて村に唯一あるクリニックに連れて行くことに。
ちょうど来てくれた、友人ベルナデスも一緒に、3人でバイクタクシーが
見つかるところまで歩き、川越え谷越えなんとか到着。

フィリピンは日本のような保険制度がないから、お金がないと医者にかかるのは難しい。
医者も、お金がない人は、目の前で死んでもほったらかし。
また、各地方自治体のクリニックでは、診療代は多少安くても、本当に設備も最小限、
医者もいないときもあるので、簡単な病気以外は、大きな町まで行かなくてはならず、
さらにお金が必要だ。

今日は医者がいる、と聞いて喜んだのもつかの間。
その女医の態度は本当にひどく(患者に向いて話をしない、説明もしない、
傷口も入り口でチラッと見ただけ… 等々)同行のベルナデスに聞いたら、
「医者も看護師も、ティボリの人たちを差別してるし、貧乏ではだしの人を笑ったりする」
とのこと。
なんだとぉ~~~!!! 大怒!!!

とにかく、傷の手当てをしてもらうのが先決、とその場はおとなしく
(私も大人になったものだ… でも、にらんでたけど。 笑)
今後、どういう形でこの状況を変えられるか、と考える。

そうこうしているうちに、リリーの夫(サムソン。アニータの息子)が到着。
「なんでこんなになるまでなんにもしなかったのーー?? あんた夫でしょーー!! 怒」
という私の怒りの言葉を、彼はさけるように距離を置き、私が
「なんですぐ医者に連れて行かなかったの??」
など、いろいろ問いただすのを、ほとんど返事もせずに、周りにいる人としゃべったり、
自分の血圧を測り始めたりして、さらに私の怒りを買うサムソン。

日本人の感覚では、こういう態度ってなんだろう? と信じられないような感じだけど、
こっちでは直接対決(というか、その事柄に向き合うこと)ってあんま
りしない。
心ではいろいろあるんだろうけど、見た感じには真摯に向き合ってるようには
とても見えないから、本当になんなの?? と、私もいまだに日本人的なモノサシを
引きずりつつ付き合っていくしかない。

そして、ティボリ民族が一夫多妻制だった、つまり女性は家畜のように男の所有物だった
慣習をいまだ引きずっているのも、もちろん背景にある。
こういう状況だと、女性が大切にされていないのがよく見え、
本当に苦し現実としてつきつけられる。

とりあえず、手当てをしてもらい、1週間薬を飲めば大丈夫、ということでホっとする。
医者の書いた抗生物質などの処方箋の薬が近所では売ってなく、夫サムソンに
「町に降りて買いなさい!!!」
と強く言い残して、私は次に待ってる織手さんのところに行くことにする。
リリーもしばらく痛いしつらいだろうけど、ちゃんと薬とごはんのお金はあるし、
命が無事とわかれば安心。

もっとお金があれば… と、いつも思わされる厳しい現実。
なんで私はお金持ちじゃないんだろう?
命を助けるお金、命を健康に保つお金… 今年はもっともっとたくさん織物製品
を売って、マイナス財政を変えるだけじゃなく、こういう緊急のことが起こった
ときに対処できるような、いくばくかのお金を持てるようにしたいなぁ…。
一時帰国の2回のイベント、がんばらないと。

医者や看護士の対応などについては次回、5月中旬に現地に行ったときに、
地方自治体内にある厚生省の管轄のようなところへ、話に行くつもりだ。
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